●RaspberryPi ROBOT 騒音と雑音対策

　2020.07.08

Raspberry Pi ROBOT は、TAMIYAの模型の Motor と Gear の出す、
電気的雑音(Noise)と騒音のために、Raspberry Pi の CPU も誤動作するし、
音声認識の julius は騒音を拾って動作しません。


Motor の電気的 Noise 対策

TAMIYA の Motor は Noise が大きいので Raspberry Pi が abort するほどです。
このため、Motor 電源や Raspberry Pi 電源に、電解コンデンサーを取付ます。
それでも Noise は消えなかったので、Motor の端子の両端に、
10μF の電解コンデンサーを入れたら Noise が消えました。

Noise 対策した Motor 駆動回路





Noise 対策を行った制御回路図




Gear の消音対策

音声リモコンを起動して、「スタンバイ」と言ったら「命令受付モードに入ります」と 返事をしてくれて、前面 LED が点灯します。

これで、「前進」・「左前」・「右前」・「バック」・「左後」・「右後」と
いう言葉を受け付けてくれます。

ここで問題発生。
まず「前進」と言ったら Motor が回転を始めて Gear がギーという
高い音を出しますので、これが julius には、連続した大きい音と
認識されて「停止」の命令を受け付けてくれません。


TAMIYA の Gear Box は、高音のギーという音が何でこんなに
うるさいのでしょうか。
音声認識の julius は、Gear の音を連続音として取込みしますので、
Motor が回転した後は、音声命令は開始位置がわからないのです。

Microphone 感度を julius が音声認識するギリギリまで下げれば、
Gear の音は認識しなくなるはずですから、音声命令は認識できると
思ってしゃべってみましたが、やはり Gear の音にかき消されてしまっています。

Gear の音を小さくするためには、Gear Box を木で作った
Transmission Box に入れて内側にゴムを張ります。
TAMIYA の添付品に入っていた油では、音は小さくなりませんので、
Gear にグリースを塗って消音をします。

木製 Transmission



木製 Transmission に入れて、Gear にグリースを塗るとかなり音が小さく
なりますが、それでも julius には音声と雑音の区別ができない様です。

車体に取り付けた Transmission Box



Transmission と Raspberry Pi を組み上げる。




Mic が騒音を拾わない様に Gear Box を後に変更した。
ペットボトルを切って集音器を作った。



Microphone 感度をギリギリまで下げて、julius の感度調整 -lv の値を上げて
感度を良くすれば Motor が回転していても、音声命令を認識してくれるかも
しれません。
julius の感度は、-lv の数値を変える事によりできます。
default は、2000 で数値が小さくなれば、感度が上がります。



Microphone 感度・julius 感度 調整

Microphone 感度	julius 感度　　(Default：　-lv = 2000)
	-lv = 2000	-lv = 1600	-lv = 1200	-lv = 1000	-lv = 800	-lv = 500
29= 47%	× ×	× ×	× ×	× ×	× ×	× ×
30= 48%	× ×	× ×	× ×	× ×	△ ×	△ ×
32= 52%	△ ×	△ ×	△ ×	○ ×	○ ×	○ ×
34= 54%	△ ×	△ ×	△ ×	○ ×	◎ △	◎ △
38= 61%	△ ×	△ ×	○ ×	○ ×	◎ ×	◎ ×
42= 68%	○ ×	○ ×	○ ×	○ ×	◎ ×	◎ ×

　　上段：静寂状態で音声命令を出した時
　　下段：Motor の回転音有

　　◎：5回の内5回とも正しく認識する。
　　〇：5回の内3〜4回認識する。
　　△：5回の内1〜2回の認識。
　　×：認識しない。

　　Microphone 感度： 62=100%


Microphone 感度を下限ギリギリより、少し上に設定して、
julius の認識感度を上げてやれば、Motor が回転していても、
かろうじて認識する部分があった。