●壁をウッドファイバーに取り換える (1)
2018.03.13
日本建材産業協会省エネルギー建材普及促進センターの資料によると
夏は外壁から 13%の熱が侵入して、冬は 19%の熱が外壁から逃げると
説明しています。
私の家の場合、外壁に入っているグラスウールの断熱材は
最低ランクの10K 70mm、床下の断熱材はさらに薄く 10K 50mmしかない。
外壁の断面構造図。
ALCコンクリートの屋内側は、通気層であり外気温と同じです。
透湿防水シートに断熱効果など無いので、断熱に効果を果たしているのは、
最低ランクの10K 70mmのグラスウールと石膏ボードだけです。
これでは、冬の朝の外気が 0℃の時には屋内は 5℃になってしまう訳です。
外壁の断熱効果を高めるには、グラスウールを撤去してウッドファイバーを
入れる方法を取ります。
同様の断熱材としてセルロースファイバーがありますが、これは古新聞などを
溶かしてできたセルロースを送風機で壁に吹き込む方式であり、日本では専門
業者に委託しなければなりません。
アメリカやドイツの様にホームセンターではセルロースファイバーは売っておらず
専用送風機のレンタルも出来ないため、DIY向きとはいえません。
柱の寸法が110mmなので、50mmのウッドファイバーを2段重ねにして壁に入れます。
ウッドファイバーを使用した外壁断面図。
壁の断熱材入れ替えを行うために、屋外側から軽量コンクリートの
外壁をはがして、中に入っている断熱材の入れ替えを検討しましたが、
危険な足場の上の高所作業になる事や、雨天の対策など問題が多すぎて
断念しました。
次に検討したのは、家の中から壁の断熱材を取り換える方法です。
これは、既存の石膏ボードの壁をすべて壊してしまう事になります。
これなら、高所作業にもならず、足場の注文をする事もありません。
また、雨天でも作業できるので、梅雨時でも作業を進める事ができます。
まず、壁の中がどの様になっているか、北側壁1面の石膏ボードを壊して
調べてみました。
次にエアコンの取り外しを行い、窓側の壁面を壊していきます。
石膏ボードは一般ゴミに出しても持って行ってくれない事がわかったので、
産業廃棄物として専門業者に委託して処分するしかないようです。
出す分量が少ないのに、これは高くつきそうです。
やむなく裏庭に埋める事にしました。
2F 東側の部屋の断熱工事
1. 2階の東側部屋の北向き壁を壊した状態
2. 2階の部屋の北向き壁を壊した状態
3. エアコンを取り外します。
窓面の壁も少しずつ壊していく。
既存グラスウールが出てきた状態
4. 窓面の壁を撤去
5. 飾り窓面の壁も撤去
6.-8. 壁にウッドファイバーの断熱材を入れる
9. -11. 構造用合板の壁を取り付ける。
12. -14.クギの頭と、構造用合板の境目にパテを塗りこんでいきます。
クギ取り付け間隔は耐力壁仕様に準拠するので本数が多い。
15. -17. 壁紙をはります。
18. -19. 元の部屋になった。
20. -21. 廻り縁と巾木にかくし釘を打って止めます。
毎日少しずつしか作業しないので、進捗状況が亀の様に遅いリホーム工事ですが、
柱と柱の間に胴つなぎを入れて断熱材のウッドファイバー100mmを壁に押し込む
作業が完了しました。
ようやく1部屋目が終わっただけで、全体では 10%が済んだ状態です。
【● 断熱 改修工事に着手】 2023.03.31
断熱工事を終了してから約 2年間、毎朝屋内・屋外の温度測定をしてデータを
収集してみました。
屋外と屋内の温度差が15℃あっても、私の住む地域では真冬の最も寒い時には
マイナス3℃から4℃になる事が年に 2〜3日あります。
この日の朝は屋内が12℃から11℃になってしまいます。
かつ、断熱性能がよくなったので、屋外の温度が家の中に伝わるまで
6時間ぐらいの時間差があります。
明け方から朝の寒さを、翌日の昼間に経験することになってしまいます。
これでは寒いので、断熱性能を上げる改修工事を行います。
断熱性能を向上させるには、透湿防水シート側にも構造用合板を入れて
ウッドファイバーを構造用合板でサンドイッチにする構造にします。
12mmの構造用合板1枚で 2〜3℃断熱性能が向上します。
構造用合板でウッドファイバーをサンドイッチにする外壁構造図
夏は直射日光を受けた、ALCコンクリートパネルは 50℃以上になります。
ALCコンクリートパネルと透湿防水シート間の通気層でも 45℃程度になります。
壁で 15℃〜18℃の断熱をすれば、上限が 30℃以下に抑える事ができるので、
屋外の気温と同程度になり、ALCコンクリートパネルのふく射熱は
防げる事になります。
改修工事中の2階東側洋間
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