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●太陽光発電の2019年問題

 2017.06.24

太陽光発電に2019年問題という言葉があります。
何が問題なのでしょうか。
日本で太陽光発電の高値買取り制度が始まったのは
2009年11月のことで期間は10年間なのです。
2019年からこの制度がなくなり電力会社は当初からやりたく
なかった高値買取りをしなくなるという事です。
2019年のその後をどうするのか、という問題なのです。
あと2年しかないのに、何も決まっていないのです。
高値買取り制度により買取りをしていた料金をどうするか、
10年間は高かったので下げるのは当然だがいくらにするかと
いう事が決まらないのです。

太陽光発電をすでに設置した人にしてみれば、
10年間では設備投資がすべて回収できていないのに、
買い取り価格がまた下がる話なのです。
「電気の平均的な発電コストで買取るのがいい」という意見もあり、
これは電力の卸し市場の価格でみるとほぼ10円ほどになる。
太陽光発電を設置して、当初買取り価格の48円で計算して、
25年間ぐらいで投資額が回収できるなどと計算していた人には
踏んだり蹴ったりの話です。

一方、太陽光発電を高値で買い取る費用は、各家庭の電気料金
全体に上乗せされています。1家庭あたりで100円程度になります。
大量の発電設備から買取る費用が下がれば、一般家庭の電気代
への負担も減って社会全体で見れば朗報かもしれません。

これから先、太陽光発電は「電気を売る」という発想から
転換しないといけない時期にきているのではないでしょうか。
家庭用の大容量蓄電池が登場しつつあり、これで電気をためて
売電せずに自分で使うという発想に切り替えるという事です。

とにかく近い将来、日本など先進国では、大発電所でつくった
電気を送電線で家庭に送って家庭が1kW/h当たり20数円で
買うよりも、各家庭で発電した電気を自分で使う方が
安い時代がくるはずです。

この家庭用の大容量蓄電池があればいろんなことができます。
電気自動車を蓄電池として使ってもいいでしょう。
まず夜間の安い電気を蓄電池にためる。
昼間は太陽光発電の電気を使い、負荷が増えたら蓄電した電気
から供給して、それでも足らなければ電力会社から買うと
いう形をとれば電気代は安くなる。

例えば「日産リーフ」の蓄電池は24kW/hで一般家庭が消費する
2日分の電気をためることができます。
こうした電気自動車用の蓄電池が、家庭用蓄電池として出回って、
家庭用蓄電池市場を形成していくかもしれません。
太陽光発電も新な時代に入ってきたかもしれません。





●太陽光発電 倒産する会社が続出

 2017.01.29

昨年から太陽光発電の会社が相次いで倒産しています。
統計では、2016年1月-9月期にはすでに42件に達し、過去最多記録を
塗り替えるペースで推移しています。
負債総額も185億円以上に達しています。
東日本大震災直後は、全ての原発が停止した状態にあり、
太陽光発電は次世代エネルギーとして、もてはやされました。
この時にブームに乗り遅れてはなるまいと、先々の見込みも考えず
安易に、太陽光発電事業に参入した会社が倒産しているようです。

昨年から倒産寸前の危険な会社が訪問してくる事があるかも知れません。
しっかりした自己防衛をしてないと、こんな会社の営業マンの
セールストークにやられてしまいます。
危険な会社のセールスは次の様な特徴があります。

1. とにかく急がせる。
  倒産寸前の会社は倒産を避けるため、営業マンはとにかくあせります。
  1件でも多くの契約を取り、工事をして代金をもらい、
  支払いをしなければと、少々強引に売り込んできます。
  ひどい業者は、前金(工事の半額)をもらって連絡が取れなくなります。

2. 激安工事
  激安価格で取り付けられますと云ってくる。
  これには裏があって、少しでも利益を出すため、安い部材を使ったり、
  人件費の削減のため、工事を雑に行ったり、手抜き工事を行い、
  屋根に穴を空けて雨漏りの原因を作ったりする。
  こんな会社は、強度的に設置条件を満たさない屋根にも
  無理やり設置してしまったりする。
  基本的にメーカーは、工事会社が空けた雨漏りは保証しません。

3. 最初からメーカーに保証申請を出してない。
  メーカーに保証申請を出さないのだから、施工基準など無視した
  工事を行えるのでお金が安くなるのはあたりまえ。
  メーカー側は保証申請で消費者と保守サービスの契約をする
  のであって、保証申請書が無ければ、設置先すら知らされず、
  契約金も貰ってなければ保証などありえません。
  なおかつ、メーカーの施工基準を満たした工事をしていなければ
  保証はしません。
  これで工事業者が倒産したら、八方ふさがりです。

4. 最悪の営業マン
  どうせ何にもやらないつもりだから、激安で最高のサービス
  (何でもあり)をやると云ってくる。
  最初から相手をだまそうと思っている。
  彼らにとっては、お金が入ればいいのだ。
  消費者の事など考えている暇はないのだ。
  なりふり構わずというやつです。
  こんな会社を相手にしたら、お金をドブに捨てる様なものです。

時代はこの様な状況になり、太陽光発電に将来は無いのでしょうか。
そんな事はありません。
猫も杓子も参入してきた太陽光発電事業に、
最初の淘汰が起きただけです。
CO2を出さない発電事業は、今後原子力発電の電力を超えるほどに
成長すると予想されています。

我が家の太陽光発電は、まだ研究段階で市場に無いバッテリーの
付く事が第一条件であり、かつ危険な工事業者の営業マンが度々来る
ような時勢では、まだまだ先になりそうです。





●太陽光発電の買取り価格3年連続下げ

 2014.12.31

12月19日の新聞報道では、経済産業省は企業が太陽光発電で作った
電気について、電力会社が買い取る際の価格を引き下げる事にしたと
ありました。
来年1月から第三者委員会が価格の決定に向けた議論を始めて
2015年度は1KW/hあたり20円台になる様です。
これは3年連続の引き下げで、再生エネルギーの普及が太陽光に
偏らないようにする事を目的にしている様です。
買取り価格を毎年改定して、42円→38円→20円となってきたわけです。
自宅の屋根に太陽光発電パネルを付けて20年〜30年で、
元がとれるかなと計算していた人は、予想が外れてしまいました。

太陽光発電パネルだけで発電すると天気による発電電力の変動が
大きすぎて電力会社としても対応が難しくなります。
安定した電力供給を行うためには、雲の広がり具合によって、
火力発電所側で出力調整を行う事になり、これは厄介です。
これを避けるには、各家庭に太陽光発電パネルだけでなく、
蓄電池を持つ様にして昼間の売電は、発電パネルと蓄電池の電力で
行う様にしないと安定した電力の供給にはならないでしょう。

蓄電池が各家庭にあれば、停電にも強くなり、一石二鳥です。
しかし、安価で耐久性のある蓄電池は、まだ世の中にありません。
我が家の太陽光発電の導入はまだ先ですね。





●太陽光発電の買取り一時停止

 2014.10.11

太陽光発電で発電した電気を、電力会社が買い取る「固定価格
買取り制度」により認定申請が急増して、電力会社が受け入れ
できなくなってしまいました。
このため、経済産業省は、太陽光発電の買い取り価格を引き下げ、
再生エネルギーの供給体制を全面的に見直すそうです。

1〜2年前に太陽光発電を設置して、1KWあたり42円で計算して
25年ぐらいで、電気料金がペイできるかなと計算した人は全く
そのめどが立たなくなってしまいました。
政府はたった1年で42円の料金を38円に価格改定して、
その上に今年は、全面的見直しですからね。
太陽光発電の新規設置の受け入れすら停止してしまうわけですから、
エネルギー政策の、ぶれが激しすぎると思います。

エネルギー政策は長期展望に立って立案すべきであって、
毎年変更して2年後には全面見直しで、新規の受け入れすら
しないというのは、政策そのものがないのと等しい。
単に目先に追われて、右往左往しているとしか思えない。
現在原子力はすべて止まっているのに、再生可能エネルギーの
政策がこんな状態では、国民の生活向上は望めない。





●70年使えるリチウム電池

 2014.08.10

シャープと京都大学の田中功教授らは、70年の使用に耐える
リチウムイオン電池を開発した。(2014.8.4 日経)
実験結果から2万5000回の充放電が可能で、
毎日1回充放電すると70年持つと見込んでいる。
従来品の寿命は、携帯電話の電池などは2年しかもたないし、
業務用の電池でも最大で10年強だった。

風力や太陽光発電向けの大型蓄電池などとして実用化する計画だ。
リチウムイオン電池開発の研究成果が、英科学誌ネイチャー
コミュニケーションズ(電子版)に掲載された。

コンピューターを使う最新のシミュレーション技術を駆使し、
鉄やケイ素など正極に使う素材の組み合わせを最適化して
8センチ角の電池を試作した。
実際に1万回充放電して性能を確かめ、従来の6倍となる長期の
使用にも耐えると分析した。

風力や太陽光などの発電は天候などで出力が変動する。
蓄電池と組み合わせれば、出力を安定にでき、
送電網への影響を抑えられると期待されている。
蓄電池を頻繁に更新すると、発電コストを押し上げる要因にもなる。

この電池が家庭用の太陽光発電に使用できる様になると、
昼間に蓄積した電力を夜間に使用する事ができる様になります。
そして現在の様に、太陽光発電を付けているのに停電した時は、
一緒になって停電する様な事がなくなります。





●太陽光発電の変換効率

 2013.04.06

太陽光発電のパネルは、現在の技術では太陽光エネルギーの
10%程度しか電気に変換出来ていないんです。
10年先には、20%の変換効率を目指すと云っているのですから
あまりにも効率が悪い。
蒸気機関車のエネルギー変換効率が、30%といいますから
これより大幅に悪い。

これは半導体の特性からくるもので、光の特定の波長や
狭い帯域の波長しか吸収できていないからです。
半導体は光の吸収も発光も同じ原理ですから、LEDダイオードや
レーザーダイオードで考えると、LEDは可視光の狭い範囲しか
発光していませんし、レーザーダイオードは特定の波長しか
発光しません。

それに比べ木々の葉は、自分の持っている色つまり緑以外の波長の
すべてを吸収しています。
自身の持つ緑は反射するので、人間には葉が緑色に見える。

太陽光エネルギーを90%以上電気に変換できる素子が発明されれば、
世の中が変わるくらい、画期的な発明になると思います。
真空管しかない時代に、半導体を発明したショックレーやキルビーの
時代からすでに半世紀以上経過しています。
ここで新たな素子を発明したら、将来のノーベル賞は間違い無いでしょう。





●太陽光発電の買取料金

 2013.03.21

昨年の3月に太陽光発電の買取料金は、すぐに価格が下がると
書きましたが、政府はたった1年で42円の買取料金を38円に
価格改定してきました。
そして、一般家庭の負担金は87円を120円に値上げしました。
これで太陽光発電の普及は足踏み状態になりますね。
やはり太陽光発電の初期投資費を、電気代でペイするというのは
難しいですね。
考え方を変えて、自分で使用するエネルギーは自分で作るという発想で
設備を買うならば別でしょうけど。
まだまだ、ソーラーパネルやコントローラの値段が高い。
家庭用蓄電池などは、実用化された製品が出たばかりで高価すぎる。

もう少し価格低下して、政府の普及後押しが行われないと
普及が進まず、生産数量が増えなければ製造メーカーも
価格面で苦しいでしょうね。





●停電したら使えない太陽光発電 (4)

 2012.04.29

東日本大震災後から再生可能エネルギーに関する取組が
急速に進んでいます。
太陽光発電についても大規模プラントの建設だけでなく、
各家庭用のソーラーパネルの設置工事業界も、中小企業の参入が
激しいようで、我が家にも営業マンが宣伝にくる。先週は2日連続で来た。
そんな折、太陽光発電の電力会社の買い取り価格を42円/1Kwhと
する案が4月25日経済産業省の委員会から出てきました。
当初は期間を20年間としていますが、価格と期間のみなおしは、
毎年行うそうです。
太陽光発電を持っていない人は、1戸あたり100円を支払うそうです。

太陽光発電を導入している人が少ない時は、この費用計算で成り立つ
のでしょうが、ドイツの様に普及が進んで、導入する人が多くなると、
当初の負担額では足りなくなってしまい、この部分は値上げが行われました。
日本でも太陽光発電が急速に普及すると、
100円の負担額では足らなくなってしまいます。
そして、電力会社の買い取り価格は、42円/1Kwhから30円/Kwh程度まで
値下げすることになります。

それを支える技術革新の方も各社の仕様が乱立ぎみです。
各家庭の設置する蓄電池の商品化がまだ出来ておらず、
夜間の停電時には真っ暗になる。2012年夏には、セキスイハウスが、
家庭用の蓄電池の商品を発表する予定になっているので、
その内容をみて検討するかなぁ。





●停電したら使えない太陽光発電 (3)

 2012.01.28

太陽光発電で発電した電気は、電力会社に販売しますが、
買い取ってくれる電気料金はどこから出ているのでしょうか。
電力会社が負担しているわけではありません。
太陽光発電を持たない消費者が負担しているのです。
持たない人が持っている人に、電気料金を支払っているのです。
現在は、太陽光発電を普及させるために、
この様な料金のしくみになっているのです。

電力会社にしてみれば、火力発電所や原子力発電所を建設する費用を
負担しなくても、電気を供給できるので大助かり。
ちなみに、原子力発電所の建設費を1基で4000億円とすると、
福島の1号機から4号機では概算で、1兆6000億円になります。

太陽光発電で買い取った電気は、自分では料金負担をしていないで、
太陽光パネルの設置補助金は各自治体から税金で出してもらう。
電力会社にしてみれば、自分のフトコロがいたまずに、
電気を供給できる。こんなうまい話はないぐらいです。
普及させたいでしょうね。
まあ、安定供給という課題は残りますけど。

現在の太陽光発電は家庭内に大容量の電池を設置していないので、
夜間の停電に耐えられない。
家庭内に大容量の電池を設置することができて、
配電網がもっと高度になれば、
電力の蓄積と供給が細かく制御できる様になり、
太陽光発電の魅力は増すんですけどね。





●停電したら使えない太陽光発電 (2)

 2011.12.19

太陽光発電で発電した電気をためるために、
大容量の電池を自宅の中に設置できないのであれば、
自家用車の中の電池を使用すればよい事になります。
この場合は、車の側にも電気を外部へ取り出す機能が必要になります。
家の中にも、太陽光で発電した電気と、車の中の電気を、
販売する機能がいります。
この様にすれば、真夏の昼間は、太陽光で発電した電気と車の
バッテリにたまった電気を、地域社会に供給することができます。
夜間は、あまった電気で車のバッテリーを充電すれば、よいことになります。

これを実現するには、車の機能向上、家の中は太陽光発電と車の電気を
販売する機能、配電網のスマートグリットの機能など、
社会の様々なインフラを整備していかないと実現できません。

実現のためには、それぞれの機能仕様が整備されて、
パイロットプラントができるまで10年、
普及が始まって不備な点が改善されていって10年、
社会全体へ普及するのに10年、
脱原発社会への、最初の道のりは30年ですね。





●停電したら使えない太陽光発電 (1)

 2011.11.19

ソーラーパネルで発電しているのだから、停電時でも12時間ぐらいは
ためていた電気エネルギーを使用できないとおかしい。
何で出来ないのでしょうか。
これは、消防法の制限があるからです。
大容量電池は危険物なんですね。
リチウム電池は、過充電すると燃え上がるか爆発します。

ソーラーパネルを設置して、発電した電気を電力会社に売るといっても、
青息吐息の電力会社は、そのうち買取電気料金を値下げてきます。
そして、今の太陽光発電は、大容量電池を家の中に設置していないので、
停電した時は一緒になって停電する。
これでは、魅力がないですね。

太陽光発電は、まだまだ課題が山積みです。



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